ベトナム旅行の準備で、意外と見落としがちなのが「電源」のこと。「日本と同じように使えるだろう」と思ったら大間違いです。コンセントの形が違ったり、電圧が高かったりするため、何も知らずに日本の家電製品を使うと、最悪の場合、故障してしまうことも。この記事では、ベトナムで日本の電化製品を使うために必要な電源変換プラグの選び方から、変圧器との違い、現地での電源事情まで、初めての方にもわかりやすく徹底的に解説します。安心してベトナム旅行を楽しむための「電源対策」は、この記事を読めば完璧です!
【この記事で分かること】
- ベトナムのコンセント形状と電圧の基本情報
- 電源変換プラグと変圧器の明確な違い
- ベトナム旅行におすすめの電源変換プラグ
- 電子機器ごとの電源対策と注意点
ベトナムで使える電源変換プラグの基本情報と選び方
ベトナムへの旅行が決まったら、まず確認しておきたいのが電源環境です。日本とは異なるコンセントの形状や電圧のため、持っていく電化製品がそのまま使えるとは限りません。ここでご紹介する基本情報を押さえておけば、旅行先での充電トラブルを未然に防ぎ、快適な旅を送ることができます。
電源変換プラグとは?変圧器との違いを初心者向けに解説
海外旅行の準備でよく耳にする「電源変換プラグ」と「変圧器」。どちらも電源に関わるアイテムですが、その役割は全く異なります。電源変換プラグは、日本の電化製品のプラグを、現地のコンセントの穴に物理的に差し込めるようにするためのものです。つまり、コンセントの形状を合わせるのが目的です。
一方、変圧器は、電圧を変換するための機器です。日本は100Vですが、ベトナムは220Vと電圧が異なります。日本の電化製品の中には、高い電圧に対応していないものも多く、そのまま差し込むと故障や発火の原因となる可能性があります。この電圧の違いを調整してくれるのが変圧器です。
イメージとしては、電源変換プラグが「ドアの鍵穴に合うように鍵の形を変えるもの」だとすれば、変圧器は「流れる水の勢いを調整するもの」と考えると分かりやすいでしょう。
ほとんどのスマートフォンやノートパソコンの充電器、デジタルカメラのバッテリーチャージャーなどは、製品本体や充電器に「INPUT: 100-240V」といった記載があり、これはワールドワイドボルテージ(世界共通電圧)対応であることを示しています。この表示があれば、電圧の異なる国でも変圧器なしで、電源変換プラグさえあれば使用可能です。しかし、ヘアドライヤーや電気シェーバーなど、古い製品や一部の家電製品にはワールドワイドボルテージに対応していないものもありますので、必ず製品の仕様を確認するようにしましょう。特に消費電力の大きい電化製品は注意が必要です。
ベトナムのコンセント形状はC・SEタイプが主流
ベトナムで一般的なコンセントの形状は、CタイプとSEタイプです。日本で使用されているAタイプとは形状が異なるため、日本の電化製品をそのまま差し込むことはできません。
- Cタイプ: 丸い穴が2つ並んだ形状です。ヨーロッパ諸国などで広く採用されており、比較的多くの場所で見られます。
- SEタイプ: Cタイプにアースピンが加わった形状です。Cタイプの上部に丸い穴がもう一つあります。
ベトナムの主要都市のホテルや、比較的新しい施設では、CタイプとSEタイプの両方に対応している場合が多いですが、古いホテルや地方ではCタイプのみの場合もあります。どちらのタイプにも対応できる変換プラグを用意しておくと安心です。
CタイプとSEタイプは、見た目は似ていますが、互換性には注意が必要です。SEタイプのプラグはCタイプのコンセントに差し込めますが、CタイプのプラグはSEタイプのコンセントには差し込めません。そのため、両方に対応できるマルチ変換プラグがあると非常に便利です。
また、最近のホテルでは、USB充電ポートが備え付けられていることも増えてきました。しかし、全てのホテルにそうした設備があるわけではないため、やはり電源変換プラグは必須アイテムと言えるでしょう。
参照元:外務省 海外安全情報「安全対策基礎データ ベトナム」

ベトナムの電圧は220V!日本製品使用時の注意点
日本の電圧が100Vであるのに対し、ベトナムの電圧は220Vです。これは日本の2倍以上の電圧に相当します。この電圧の違いを理解せずに日本の電化製品をそのまま使用すると、製品の故障や、最悪の場合、発火事故につながる可能性もありますので、細心の注意が必要です。
多くのスマートフォン、タブレット、ノートパソコンの充電器は、グローバル対応(ワールドワイドボルテージ対応)となっており、入力電圧が「100V-240V」と記載されています。この表示がある製品は、ベトナムの220Vの電圧でも変圧器なしで直接使用できます。確認方法は、充電器やアダプターの小さな文字で記載されている「INPUT」の項目を探してみてください。
しかし、注意が必要なのは、ヘアドライヤー、ヘアアイロン、電気シェーバー、電動歯ブラシなど、発熱を伴う製品やモーターを使用する一部の家電製品です。これらの製品の中には、日本国内専用(100Vのみ対応)のものが多く、220Vの電圧に耐えられない可能性があります。もし、これらの製品をベトナムで使用したい場合は、必ず変圧器が必要になります。
変圧器を選ぶ際は、使用したい電化製品の消費電力(W数)を確認し、それ以上の容量を持つ変圧器を選ぶことが重要です。消費電力が高いヘアドライヤーなどは、対応できる変圧器も大型で重くなる傾向があるため、旅行に持っていくのは現実的ではない場合も多いでしょう。無理に持っていくよりも、ホテル備え付けのものを使用したり、現地で調達したりする方が賢明な選択かもしれません。
対応する電源変換プラグの種類とチェックポイント
ベトナムで日本の電化製品を使うために必要な電源変換プラグにはいくつかの種類があり、それぞれ特徴が異なります。自分に合った製品を選ぶためのチェックポイントを把握しておきましょう。
まず、最もシンプルなのはCタイプ、SEタイプ単体の変換プラグです。これは特定のコンセント形状にのみ対応したもので、価格も安価な傾向にあります。もし、ベトナム以外の国へ行く予定がなく、荷物をできるだけコンパクトにしたい場合は選択肢になります。しかし、ベトナム国内でもCとSEの両方が混在していることを考えると、少し不便かもしれません。
次に、複数のコンセント形状に対応できるマルチ変換プラグがあります。これは、C、SEタイプはもちろん、A、BF、Oタイプなど、世界各国の主要なコンセント形状に対応できるよう、複数のプラグ形状を内蔵しているものです。一つの製品で様々な国に対応できるため、今後も海外旅行に行く予定がある方には非常におすすめです。ただし、単体プラグに比べてサイズが大きめになったり、価格も高くなったりする傾向があります。
変換プラグを選ぶ際のチェックポイントは以下の通りです。
- 対応コンセント形状: ベトナムのC・SEタイプに対応しているか。できれば両方に対応しているものが望ましい。
- 安全性: PSEマーク(日本)やCEマーク(EU)などの安全規格に準拠しているか確認しましょう。安価すぎる製品には注意が必要です。
- USBポートの有無: スマートフォンやタブレットの充電用にUSBポートが付属している製品もあります。これがあれば、USB充電器を別途持ち運ぶ必要がなくなり、荷物を減らせます。
- 耐久性・携帯性: 旅行中に持ち運ぶものなので、丈夫でコンパクトなものが理想です。
- 定格電流: 使用する電化製品の消費電流に対応できるか確認しましょう。一般的に10A程度あれば十分ですが、念のため確認しておくと安心です。
これらのポイントを踏まえて、ご自身の旅行スタイルや使用する電化製品に合わせて最適な変換プラグを選びましょう。
ベトナム旅行で実際に使えるおすすめ変換プラグ3選
ベトナム旅行で役立つ電源変換プラグを3つ厳選してご紹介します。どれも使い勝手が良く、安心して使えるものばかりです。
1. エレコム ACアダプター コンセント 充電器 世界対応 電源変換プラグ 一体型 USBポート付き
特徴 | 詳細 |
対応形状 | A, C, O, BF, SEタイプなど、世界各国の主要なコンセント形状に対応。ベトナムのC・SEタイプももちろんカバーしています。 |
USBポート | 2つ以上のUSB-Aポートを搭載しており、スマートフォンやタブレットの同時充電が可能。別途USB充電器を持ち運ぶ必要がありません。 |
安全性 | 過電流・過電圧保護機能を搭載しており、安心して使用できます。 |
携帯性 | コンパクトに折りたためる設計で、持ち運びにも便利です。 |
おすすめポイント | これ一つあれば、ほとんどの国に対応できるため、今後も海外旅行に行く予定がある方には非常におすすめです。USBポートも充実しているので、複数のデバイスを持ち歩く方には特に便利です。信頼性のあるメーカーなので、安全性も高いです。 |
2. カシムラ 海外用変換プラグ サスケ WP-81M
特徴 | 詳細 |
対応形状 | A, C, O, BF, SEタイプなど、世界各国の主要なコンセント形状に対応。ベトナムのC・SEタイプもカバーしています。 |
USBポート | USBポートは搭載されていませんが、シンプルな変換機能に特化しています。 |
安全性 | 各国の安全基準に適合した設計で、安心して使用できます。 |
携帯性 | 軽量でコンパクトなため、荷物の邪魔になりません。 |
おすすめポイント | シンプルな機能で、変換プラグとしての基本性能を重視する方におすすめです。余計な機能がない分、価格も手頃で、非常に軽量なので荷物を増やしたくない方に最適です。信頼性の高い日本のメーカー製品なので、品質面でも安心できます。 |
3. サンワサプライ 海外電源変換アダプタ TR-AD1BK
特徴 | 詳細 |
対応形状 | A, C, O, BF, SEタイプなど、世界各国の主要なコンセント形状に対応。もちろんベトナムのC・SEタイプも対応。 |
USBポート | USBポートは搭載されていません。 |
安全性 | 過電圧保護機能などを搭載し、安全に配慮した設計です。 |
携帯性 | コンパクトで持ち運びやすく、耐久性も高いです。 |
おすすめポイント | オフィス用品やPC周辺機器で有名なサンワサプライの製品なので、品質の信頼性は高いです。USBポートが不要で、シンプルに変換機能だけを求める方には良い選択肢です。堅牢な作りなので、頻繁に海外旅行に行く方にもおすすめです。 |
これらの製品は、いずれもベトナムで日本の電化製品を使用する上で必要な機能を備えています。ご自身の旅行スタイルや予算、必要な機能に合わせて選んでみてください。
スマホ・カメラ・ノートPC…電子機器ごとの対応方法
ベトナム旅行に持っていく電子機器は、それぞれ必要な電源対策が異なります。適切に対応しないと、機器の故障だけでなく、火災などの危険も伴うため、出発前に必ず確認しておきましょう。
- スマートフォン(iPhone/Android)ほとんどのスマートフォン充電器は、「INPUT: 100-240V」と記載されており、ワールドワイドボルテージに対応しています。そのため、変圧器は不要です。必要なのは、ベトナムのコンセント形状(C・SEタイプ)に合わせるための電源変換プラグのみです。USB充電ケーブルと電源変換プラグがあれば、どこでも充電できます。ホテルによってはUSBポートが備え付けられている場合もありますが、変換プラグは万が一に備えて必ず持参しましょう。
- デジタルカメラ・アクションカメラデジタルカメラやアクションカメラのバッテリー充電器も、スマートフォンの充電器と同様に、「INPUT: 100-240V」と記載されているものがほとんどです。これも変圧器は不要で、電源変換プラグのみで充電が可能です。予備バッテリーを持参する方も多いと思いますが、ホテルに戻ってまとめて充電できるよう、変換プラグは必須です。
- ノートパソコンノートパソコンのACアダプターも、基本的に**「INPUT: 100-240V」**と記載されており、ワールドワイドボルテージに対応しています。そのため、変圧器は不要で、電源変換プラグのみで問題なく使用できます。ただし、ノートパソコンは消費電力が比較的大きいため、古い建物や不安定な電源の場所での使用は注意が必要です。サージプロテクター機能付きの変換プラグや延長コードがあると、より安心です。
- ヘアドライヤー・ヘアアイロンこれらの製品は、発熱を伴うため消費電力が非常に高いのが特徴です。日本国内専用の製品(100Vのみ対応)が多いため、変圧器が必須となるケースがほとんどです。しかし、ヘアドライヤーやヘアアイロンに対応する変圧器は、非常に大きく重くなる傾向があり、旅行に持っていくのは現実的ではありません。最近では、海外対応(100V-240V対応)のヘアドライヤーやヘアアイロンも販売されているため、これらを購入するのが最も賢明な選択です。もし現地での使用頻度が低いのであれば、ホテル備え付けのものを使用するか、旅行中は諦めることも検討しましょう。
- 電気シェーバー・電動歯ブラシこれらの製品も、バッテリー充電式であれば**「INPUT: 100-240V」**対応のものが多く、変圧器は不要で、電源変換プラグのみで充電できる場合が多いです。しかし、念のため製品の仕様を必ず確認してください。充電式ではない直接コンセントに挿すタイプの場合は、電圧に注意が必要です。
各電子機器の取扱説明書や製品本体の記載を必ず確認し、適切な電源対策を行いましょう。
100均・Amazon・家電量販店…変換プラグの購入先まとめ
電源変換プラグは、様々な場所で購入できます。それぞれの購入先のメリット・デメリットを理解して、自分に合った方法を選びましょう。
1. 100円ショップ(ダイソー、セリアなど)
- メリット: 何と言っても価格の安さが魅力です。緊急で一つ欲しい場合や、短期間の旅行で割り切って使いたい場合には非常に便利です。
- デメリット: 品揃えが限られていることが多く、CタイプやSEタイプ単体のシンプルな変換プラグが中心です。品質や耐久性については、家電量販店や専門店で購入するものと比べて劣る可能性があります。また、USBポート付きのマルチ変換プラグなどはほとんど見かけません。
- 注意点: 安価な製品の中には、安全基準を満たしていないものや、接触不良を起こしやすいものも存在します。信頼性を重視するなら、あまりおすすめできません。あくまで「予備」や「緊急用」として考えるのが良いでしょう。
2. Amazonなどのオンラインストア
- メリット: 品揃えが豊富で、様々なメーカーの製品を比較検討できます。マルチ変換プラグやUSBポート付きなど、機能性の高い製品も多数見つかります。価格競争が激しいため、比較的安価に手に入れられることも多いです。自宅に配送されるため、買いに行く手間が省けます。
- デメリット: 実物を確認できないため、品質やサイズ感がイメージと異なる場合があります。配送に時間がかかる場合があるため、出発直前の購入には不向きです。
- 注意点: 非常に多くの商品があるため、レビューを参考に信頼できるメーカーの製品を選ぶことが重要です。安すぎる製品には注意し、安全基準の表示(PSEマークなど)を確認しましょう。
3. 家電量販店(ビックカメラ、ヨドバシカメラ、ヤマダ電機など)
- メリット: 品揃えが豊富で、実際に製品を手に取って確認できます。専門知識を持った店員に相談できるため、自分の持っている電化製品に合った変換プラグを選んでもらえます。品質の信頼性が高く、PSEマークなどの安全基準を満たしている製品がほとんどです。
- デメリット: 価格は100円ショップやオンラインストアと比べて高めの傾向があります。店舗によっては品揃えに偏りがある場合もあります。
- 注意点: 旅行用品コーナーや海外電化製品コーナーに置かれていることが多いです。時間に余裕を持って出かけ、店員さんに相談しながら選びましょう。
4. 空港の売店
- メリット: 出発直前でも購入できるため、買い忘れた場合に非常に便利です。
- デメリット: 品揃えは限られており、価格は割高になる傾向があります。
- 注意点: 緊急時の最終手段として考えておきましょう。
5. 旅行用品店(東急ハンズ、ロフト、無印良品など)
- メリット: 旅行に特化した品揃えなので、変換プラグ以外にも便利な旅行グッズが見つかることがあります。デザイン性の高い製品や、収納に便利なポーチ付きの製品なども見つかることがあります。
- デメリット: 価格は家電量販店と同程度か、やや高めの場合もあります。
- 注意点: 他の旅行用品と一緒に購入する際に立ち寄るのがおすすめです。
これらの購入先の中から、ご自身の状況や重視するポイントに合わせて最適な場所を選んでみてください。
現地ベトナムでの電源事情と旅行者が気をつけるポイント
ベトナムでの電源事情は、日本とは異なる点がいくつかあります。快適な旅行のためには、事前にそれらの情報を把握し、現地で困らないための準備をしておくことが大切です。ここでは、ホテルやカフェでの充電環境、万が一の対処法、そして変換プラグ選びで失敗しないための最終チェックポイントについて解説します。
ベトナムのホテルやカフェでの充電環境のリアル
ベトナムのホテルやカフェでは、日本のホテルと比べて充電環境に違いがある場合があります。最新のホテルや外資系ホテルでは、日本のコンセント形状(Aタイプ)に対応したコンセントや、USB充電ポートが設置されていることも増えてきましたが、全ての施設でそうとは限りません。
- ホテル:ハノイやホーチミンなどの大都市にある比較的新しいホテルや、高級ホテルでは、複数のコンセント差込口が用意されており、中にはCタイプ、SEタイプだけでなく、Aタイプに対応している場所や、直接USBケーブルを挿せるUSB充電ポートが備わっている部屋もあります。しかし、地方のホテルや、歴史のあるホテル、ゲストハウスなどでは、CタイプやSEタイプのみのコンセントが数個しかない場合も珍しくありません。ベッドサイドやデスク周りにコンセントが少ないことも多いため、延長コードや電源タップがあると非常に便利です。特に複数の電子機器を同時に充電したい場合は、変換プラグ付きの電源タップを持参することをおすすめします。
- カフェ:ベトナムのカフェは、旅行者にとって休憩や作業スペースとして非常に利用価値が高い場所です。多くのカフェでは無料Wi-Fiが利用でき、長居するお客さんのためにコンセントを解放しているお店も多いです。しかし、全てのカフェにコンセントがあるわけではありませんし、あっても数が限られていることが多いです。特に混雑時は、空いているコンセントを見つけるのが難しいこともあります。また、古いカフェではコンセントの抜き差しが固かったり、ぐらついていたりすることもありますので、使用する際は注意が必要です。
- その他:空港や駅、大型ショッピングモールなどでも、充電スポットが提供されている場合がありますが、常に利用できるとは限りませんし、セキュリティ面も考慮する必要があります。個人的な電子機器の充電は、基本的に滞在先のホテルで行うのが最も安全で確実です。
総じて、ベトナムの充電環境は以前に比べて改善されつつありますが、日本のようにどこでも気軽に充電できるとは限りません。特に地方や古い施設では、事前の準備が重要になります。
コンセントが使えない!現地で困ったときの対処法
せっかく変換プラグを持っていったのに、コンセントが使えない!そんな予期せぬトラブルに遭遇する可能性もゼロではありません。万が一の事態に備えて、いくつかの対処法を知っておきましょう。
- ホテルのスタッフに相談する:最も基本的な対処法です。部屋のコンセントが機能しない、または形状が合わない場合は、フロントデスクに相談してみましょう。予備の変換プラグを用意していたり、別の部屋を案内してくれたり、充電できる場所を教えてくれたりする場合があります。英語が通じなくても、ジェスチャーや翻訳アプリを使えば、ある程度は意思疎通が可能です。
- 別のコンセントを探す:部屋の全てのコンセントがダメなわけではないかもしれません。デスクの下や、テレビの裏、バスルームなど、意外な場所にコンセントが隠れていることがあります。根気強く探してみましょう。
- モバイルバッテリーを活用する:旅行の必需品とも言えるモバイルバッテリーは、コンセントトラブルの際の救世主です。特にスマートフォンやタブレットの充電には非常に役立ちます。事前にフル充電しておくことはもちろん、容量の大きなものを持参するとより安心です。モバイルバッテリーがあれば、コンセントが見つからなくても当面は乗り切ることができます。
- USB充電ポートを探す:最近のホテルでは、テレビのUSBポートや、ベッドサイドのランプにUSB充電ポートが搭載されていることがあります。これらがあれば、変換プラグなしで直接USBケーブルを挿して充電できます。ただし、充電速度が遅い場合や、電力供給が不安定な場合もあるので注意が必要です。
- 家電量販店やコンビニエンスストアで調達する:最終手段として、現地の家電量販店やコンビニエンスストアで変換プラグを探すことも可能です。ベトナムの主要都市であれば、電気店やスーパーマーケットなどで購入できる場合があります。ただし、言葉の壁や品揃えの制限、価格の割高感は覚悟しておきましょう。参照元:ホーチミン観光情報ガイド「ホーチミン市内の主要ショッピングセンター」https://hochiminh-city.com/shopping/
- カフェやショッピングモールの充電スポットを利用する:緊急時には、コンセントが利用できるカフェやショッピングモールの充電スポットを探すのも一つの手です。ただし、セキュリティには十分注意し、荷物から目を離さないようにしましょう。
これらの対処法を知っていれば、万が一の事態でも冷静に対応できるはずです。
海外対応していない家電製品はどうするべき?
日本国内専用の家電製品(100Vのみ対応)をベトナムに持っていく場合、そのままでは使用できません。これらの製品をどうしても使用したい場合は、変圧器が必要になります。しかし、変圧器の利用にはいくつかの注意点があります。
まず、変圧器には「ステップアップ変圧器」と「ステップダウン変圧器」があります。日本からベトナムへ持っていく場合は、220Vを100Vに下げる必要があるため、ステップダウン変圧器が必要になります。
次に、変圧器を選ぶ際に最も重要なのが**「容量(W数)」**です。使用したい電化製品の消費電力(ワット数)を確認し、それよりも大きい容量の変圧器を選ぶ必要があります。例えば、日本のヘアドライヤーは1200W〜1500Wといった高消費電力のものが多く、これに対応できる変圧器は非常に大きく、重く、高価になります。旅行に持っていくには不便なだけでなく、変圧器自体の故障や発熱のリスクも高まります。
製品の種類 | 消費電力の目安(W) | 変圧器の要否 | 備考 |
スマートフォン充電器 | 5-20 | 不要(ワールドワイド対応) | 製品に「INPUT: 100-240V」の記載があればOK。 |
ノートパソコン充電器 | 40-90 | 不要(ワールドワイド対応) | 製品に「INPUT: 100-240V」の記載があればOK。 |
デジタルカメラ充電器 | 5-15 | 不要(ワールドワイド対応) | 製品に「INPUT: 100-240V」の記載があればOK。 |
電気シェーバー(充電式) | 5-20 | 基本不要(ワールドワイド対応が多い) | 製品の仕様を要確認。 |
電動歯ブラシ(充電式) | 5-10 | 基本不要(ワールドワイド対応が多い) | 製品の仕様を要確認。 |
ヘアドライヤー | 600-1500 | 必須 | 高消費電力のため、対応する変圧器は大型・高価になる。海外対応品を別途購入が推奨。 |
ヘアアイロン | 150-500 | 必須 | ヘアドライヤーと同様に海外対応品を別途購入が推奨。 |
海外対応していない家電製品への対策は、基本的には以下のいずれかをおすすめします。
- 現地で調達する:ヘアドライヤーや電気シェーバーなど、高消費電力の製品は、現地のスーパーマーケットや電気店で購入する方が安価で手軽な場合があります。特にヘアドライヤーは、ホテルに備え付けられていることも多いです。
- 海外対応品を購入する:最近では、100V-240Vの電圧に対応したヘアドライヤーやヘアアイロンが数多く販売されています。今後も海外旅行に行く予定があるなら、これを機に購入を検討するのも良いでしょう。
- 使用を諦める:どうしても必要なものでなければ、旅行中は使用を我慢するというのも一つの選択肢です。荷物を減らせるメリットもあります。
変圧器は、使用を誤ると電化製品の故障だけでなく、火災の原因にもなりかねません。特に高消費電力の電化製品を使う場合は、無理に変圧器を使用するよりも、海外対応品を購入するか、現地で調達する方が安全で賢明な選択と言えます。
電圧変換が必要なケースとその対策方法
前述の通り、ベトナムの電圧は220Vであり、日本の100Vとは異なります。電圧変換が必要なケースと、その対策方法をより詳しく見ていきましょう。
電圧変換が必要なケース
「INPUT: 100V」としか記載がない、または「100V専用」と明記されている電化製品は、電圧変換(変圧器)が必須です。具体的には以下のような製品が該当しやすいです。
- 日本国内専用のヘアドライヤー、ヘアアイロン: これらは消費電力が非常に高く、海外電圧に対応していないものがほとんどです。
- 一部の古い電気シェーバーや電動歯ブラシ: 充電式でない直接コンセントに挿して使うタイプや、古い製品には100Vのみ対応のものがあります。
- 電子レンジ、炊飯器などの調理家電: これらは旅行に持っていくことは稀ですが、非常に高消費電力であり、変圧器も非常に大型になります。
- 一部のゲーム機や充電器: ゲーム機本体や、その純正充電器の中には100V専用のものもあります。特に、ポータブルゲーム機の充電器は確認が必要です。
対策方法
- 変圧器の使用:電圧変換が必要な製品を使用する最も直接的な方法です。
- 選ぶポイント:
- 容量(W数): 使用したい電化製品の消費電力(W)を必ず確認し、それ以上の容量を持つ変圧器を選びます。安全を考慮し、電化製品の消費電力の1.2~1.5倍程度の容量があるものが理想です。例えば、消費電力1000Wのドライヤーなら、1200W以上の変圧器が必要です。
- 対応電圧: ベトナムの220Vから日本の100Vへ変換できるタイプを選びます(ステップダウン変圧器)。
- 連続使用時間: 変圧器には連続使用時間が定められているものがあります。特に高消費電力の製品を長時間使う場合は注意が必要です。
- 注意点:
- サイズと重さ: 高容量の変圧器は、非常に大きく重いため、旅行の荷物としては不向きな場合が多いです。
- 発熱: 変圧器自体が発熱するため、使用中は周囲に物を置かないなど、通気性の良い場所で使用しましょう。
- 価格: 高容量の変圧器は価格も高額になります。
- 選ぶポイント:
- 海外対応製品の購入:これが最も安全で、旅行の負担も少ない賢明な対策です。
- 最近では、ヘアドライヤーやヘアアイロンなど、国内外の電圧(100V-240V)に対応した「海外対応」または「ワールドワイドボルテージ対応」の製品が多く販売されています。これらを購入すれば、変圧器なしで変換プラグのみで利用可能です。
- 家電量販店やオンラインストアで「海外対応 ドライヤー」「トラベル用 ヘアアイロン」などで検索すると多くの製品が見つかります。
- 現地での調達:どうしても日本から持っていきたい製品でない限り、現地で調達することも検討しましょう。特にヘアドライヤーは、ベトナムの主要都市の電気店やスーパーマーケットで手軽に購入できます。価格も手頃なものが多いです。
どの対策を取るにしても、最も重要なのは使用したい電化製品の仕様を事前にしっかり確認することです。無駄な出費や故障のリスクを避けるためにも、この確認作業は怠らないようにしましょう。
ベトナムで変換プラグを現地調達できる場所
もし日本で変換プラグを買い忘れてしまっても、ベトナムの現地で手に入れることは可能です。ただし、日本で購入するよりも選択肢が限られたり、価格が高めだったりする場合があるので、緊急時の最終手段として考えておきましょう。
- 電気店・家電量販店(Electronics Stores):ハノイやホーチミンなどの大都市には、大型の家電量販店があります。例えば、Nguyễn Kim (グエンキム) やMedia Mart (メディアマート) などが有名です。これらの店舗では、様々な種類の電源変換プラグや、中には海外対応の電化製品も取り扱っています。品質は比較的安心できますが、店員さんとの英語でのやり取りが必要になる場合もあります。価格は日本の家電量販店と同程度か、やや安価なこともあります。
- スーパーマーケット・大型ショッピングモール(Supermarkets / Shopping Malls):Big C (ビッグシー)、Co.opmart (コープマート)、AEON Mall (イオンモール) など、ベトナムには多くの大型スーパーマーケットやショッピングモールがあります。これらの店舗内の家電コーナーや日用品コーナーで、電源変換プラグが販売されていることがあります。品揃えは電気店ほど豊富ではありませんが、手軽に購入できます。
- コンビニエンスストア(Convenience Stores):Circle K (サークルK) やFamilyMart (ファミリーマート)、VinMart (ビンマート) といったコンビニエンスストアでも、ごく稀にシンプルな変換プラグが置かれていることがあります。ただし、品揃えは期待できず、価格も割高な傾向があります。あくまで緊急時の一時しのぎと考えておきましょう。
- 空港(Airport):ベトナムの主要国際空港(ハノイのノイバイ国際空港、ホーチミンのタンソンニャット国際空港など)の売店や電子機器店でも、変換プラグが販売されている場合があります。出発ロビーや到着ロビーに店舗があることが多いです。しかし、価格は非常に高額になるため、最終手段としてのみ利用することをおすすめします。
- ホテル(Hotel Front Desk):宿泊しているホテルによっては、フロントで変換プラグを貸し出している場合があります。これは非常に便利なので、困ったらまずホテルのフロントに相談してみるのが一番です。ただし、数に限りがあることや、貸し出しサービスがないホテルもあることを考慮に入れておきましょう。
現地での調達は可能ですが、言葉の壁や品揃え、価格の面で不便を感じるかもしれません。やはり、日本を出発する前に必要なものを全て揃えておくのが最もスムーズで安心できる方法です。
電源変換プラグ選びで失敗しないための注意点【まとめ】
ベトナム旅行で電源変換プラグ選びに失敗しないために、これまでの情報を踏まえて最終的な注意点をまとめました。これらのポイントを押さえておけば、安心して旅を楽しめるでしょう。
- コンセント形状の確認を徹底: ベトナムはC・SEタイプが主流です。両方に対応するマルチ変換プラグを選ぶのが最も安心です。
- 電圧の確認を怠らない: ベトナムの電圧は220Vです。お持ちの電化製品が**「INPUT: 100-240V」**と表示されているか、必ず確認しましょう。この表示があれば変圧器は不要です。
- 変圧器の必要性を正しく判断: ヘアドライヤーやヘアアイロンなど、消費電力が高い日本国内専用品は変圧器が必須です。しかし、旅行用としては大型で重くなるため、海外対応品を購入するか、現地で調達することを強くおすすめします。
- USBポートの有無を検討: スマートフォンやタブレットの充電に便利なUSBポート付きの変換プラグを選ぶと、荷物を減らせて便利です。
- 安全性に配慮する: 安価すぎる製品や、PSEマークなどの安全基準の表示がない製品は避け、信頼できるメーカーの製品を選びましょう。
- 予備を用意する: 万が一の故障や紛失に備えて、予備の変換プラグを一つ持っていくと安心です。
- 延長コードや電源タップも検討: 複数の機器を同時に充電したい場合や、ホテルでコンセントが少ない場合に役立ちます。ただし、延長コードや電源タップ自体も海外電圧対応(220V対応)であるかを確認しましょう。
- 荷物にならないサイズと重さ: 旅行中持ち運ぶものなので、できるだけコンパクトで軽量なものを選びましょう。
- 事前に試しておく: 購入した変換プラグは、出発前に一度日本のコンセントで形状や抜き差しの感触などを確認しておくと良いでしょう。
- 購入は早めに: 直前になって慌てないよう、旅行の計画段階で早めに購入を済ませておきましょう。特にオンラインストアで購入する場合は配送期間も考慮に入れる必要があります。
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