ベトナム旅行を計画中の皆さん、現金の準備は万全ですか?「クレジットカードだけで大丈夫?」そう思っていませんか?実はベトナムはまだまだ現金が主流の国。このガイドでは、ベトナム旅行で必要な現金の目安から、お得な両替方法、さらには現地での支払い事情、そして何より大切な防犯対策まで、ベトナム旅行の「お金」に関するあらゆる疑問を徹底的に解説します。安心してベトナム旅行を楽しむために、ぜひ最後までお読みください。
【この記事で分かること】
- ベトナム旅行で必要な現金の目安と両替のコツ
- クレジットカードや電子マネーの活用術
- ベトナム通貨「ドン」の基礎知識と注意点
- 旅行中の防犯対策と万が一のトラブル対処法
ベトナム旅行における現金の重要性とは?
ベトナムへようこそ!美しい景色と美味しい料理が待つこの国では、現金が旅をスムーズに進めるための鍵となります。日本のようにどこでもキャッシュレス決済ができるわけではないため、事前に現金の必要性を理解しておくことが、トラブルなく旅を楽しむための第一歩です。特に地方の市場や小さな商店では、現金が唯一の支払い手段となる場面が多々あります。
ベトナムは現金社会?クレカだけでは不便な理由
日本にいるとキャッシュレス決済が当たり前のように普及していますが、ベトナムではまだまだ現金が主要な支払い手段です。特にローカルな食堂、屋台、市場、個人商店などでは、クレジットカードや電子マネーが使えない場所がほとんどです。これらはベトナム旅行の醍醐味とも言える体験であり、現金がなければこれらの場所でのお買い物や食事ができません。例えば、ハノイの旧市街やホーチミン市のベンタイン市場などで、活気ある地元の雰囲気を味わいながら買い物を楽しむには、手持ちの現金が必須となります。また、タクシーやシクロ(自転車タクシー)などの交通機関を利用する際も、現金での支払いが一般的です。さらに、高級ホテルや一部の大規模なレストラン、デパートなどではクレジットカードが利用できますが、システムトラブルや通信不良で使えないケースもゼロではありません。万が一に備え、現金は常に一定額持ち歩くことを強くお勧めします。
ベトナム旅行で必要な現金額の目安|旅行日数別に紹介
ベトナム旅行で必要な現金額は、旅行日数や旅のスタイルによって大きく異なります。豪華なホテルに宿泊し、高級レストランを中心に利用するのか、それともゲストハウスに泊まり、ローカルフードを楽しむのかで、当然ながら必要な金額は変わってきます。一般的に、1日あたりの目安としては、宿泊費を除く食費、交通費、観光費、お土産代などを含めて、一人あたり5,000円〜10,000円(約100万ドン〜200万ドン)程度を見ておくと安心です。以下に、一般的な旅行日数別の目安をまとめました。
旅行日数 | 必要な現金目安(1人あたり) |
2泊3日 | 15,000円〜30,000円 |
3泊4日 | 20,000円〜40,000円 |
4泊5日 | 25,000円〜50,000円 |
5泊6日 | 30,000円〜60,000円 |
この金額はあくまで目安であり、宿泊費は含んでいません。宿泊費は事前にクレジットカードで決済しておけば、現地で必要な現金を抑えることができます。また、お土産をたくさん購入する予定がある場合や、アクティビティに多く参加する予定がある場合は、上記の目安よりも多めに準備しておくことをお勧めします。
空港・市内・ホテル|現地での両替はどこがお得?
ベトナムでの両替は、主に空港、市内の両替所、銀行、ホテルで行うことができます。どこで両替するのが最もお得かは、その時の為替レートや手数料によって変動しますが、一般的には以下の傾向があります。
- 空港:到着してすぐに現金が必要な場合に便利ですが、為替レートは市内の両替所に比べてやや不利な傾向があります。少額の両替に留め、必要最低限の金額だけを両替するのが賢明です。
- 市内の両替所(金行):ハノイの旧市街やホーチミン市のドンコイ通り周辺など、観光客が多いエリアには、政府公認の両替所(金行)が数多くあります。これらの両替所は、銀行よりも良いレートを提供してくれることが多く、おすすめです。ただし、レートは店によって異なるため、数軒を比較検討することをお勧めします。有名で信頼できる両替所としては、ホーチミン市の「Ha Tam Gold Shop」などが挙げられます。
- 銀行:大手銀行(ベトコムバンク、BIDVなど)でも両替が可能です。レートは市内の両替所よりは劣る場合が多いですが、安全性は高いと言えます。パスポートの提示が必要となる場合があります。
- ホテル:ほとんどのホテルで両替サービスを提供していますが、レートは最も不利な傾向にあります。緊急時や少額の両替に限って利用するのが良いでしょう。
最もお得に両替するなら、空港で最低限の金額を両替し、その後、市内の信頼できる両替所でまとまった金額を両替するのがベストです。両替時には、必ず渡されるドン札の枚数を確認し、高額紙幣ばかりにならないように少額紙幣も混ぜてもらうように依頼すると便利です。
日本で両替するべきか?為替と手数料の損得比較
ベトナムドンの両替は、日本国内とベトナム現地で行うことができますが、一般的にベトナム現地で両替する方がレートが良いことが多いです。
日本国内での両替
日本の銀行や両替所(成田空港や羽田空港などの国際空港にも両替所があります)でもベトナムドンに両替することは可能ですが、取り扱いがない場合や、あったとしてもベトナム現地での両替に比べて為替レートが不利な傾向にあります。これは、ベトナムドンの需要が日本国内ではそれほど高くないため、両替手数料が高めに設定されていることが多いためです。もし日本で両替するなら、必要最低限の金額に留めておくことをお勧めします。
ベトナム現地での両替
前述の通り、ベトナム現地(空港、市内の両替所、銀行など)で両替する方が、一般的に良いレートで両替できます。特に、市内の両替所は競争原理が働き、銀行よりも有利なレートを提示していることが多いです。ただし、両替所によってレートが異なるため、いくつか見て回って比較することが重要です。
手数料の比較
両替の際に注意すべきは、表示されている為替レートだけでなく、手数料も考慮することです。手数料が別途かかる場合もあれば、為替レートに手数料が含まれている場合もあります。最終的に手元に残る金額で判断することが大切です。
両替場所 | メリット | デメリット |
日本国内 | 出発前に準備できる安心感 | レートが悪い、取り扱いがない場合がある |
ベトナム空港 | 到着後すぐに現金が手に入る | レートは市内より悪い傾向 |
ベトナム市内両替所 | 比較的良いレート、選択肢が多い | 信頼できる場所を選ぶ必要がある |
ベトナム銀行 | 比較的安心、高額両替にも対応 | レートは市内両替所より悪い傾向、時間がかかる場合も |
ベトナムホテル | 手軽に両替できる | 最もレートが悪い傾向 |
結論として、ベトナム旅行の両替は、日本円をベトナム現地に持ち込み、空港で当面の必要額を両替し、残りは市内の評判の良い両替所で両替するのが最も賢い方法と言えるでしょう。
現金の持ち歩き方と防犯対策|スリ・盗難を防ぐコツ
ベトナムでは比較的治安が良いとされていますが、観光客を狙ったスリやひったくりなどの軽犯罪は残念ながら存在します。特に人混みや観光地、夜間などは注意が必要です。せっかくの旅行を台無しにしないためにも、以下の防犯対策を徹底しましょう。
- 現金を分散して持つ:全てのお金を一つの財布に入れるのは非常に危険です。メインの財布にはその日使う分だけを入れ、残りの現金はセキュリティーポーチやパスポートケースなどに入れて、服の中に隠して持ち歩きましょう。ホテルにセーフティボックスがあれば、貴重品や予備の現金、パスポートの原本などはそこに入れておくのが最も安全です。
- バッグの持ち方に注意:リュックサックは背後からのアクセスが容易なため、前に抱えるか、口がしっかりと閉まるタイプを選びましょう。ショルダーバッグやトートバッグは、車道側ではなく建物側に持つようにし、常に体に近い位置で持つようにします。特にバイクのひったくりが多いので、バイクが近づいてきたら注意してください。
- 貴重品を見せない:財布やスマートフォンなどを人前で不用意に出したり、テーブルの上に置きっぱなしにしたりしないようにしましょう。ATMを利用する際も、周囲に不審な人物がいないか確認し、素早く操作を済ませることが大切です。
- 夜間の外出に注意:夜間の一人歩きは避け、なるべく明るい場所や人通りの多い場所を選んで移動しましょう。必要であればタクシーを利用するなど、安全を優先してください。
- 声をかけてくる人への警戒:日本語で親しげに話しかけてくる人には特に注意が必要です。親切を装ってぼったくりや詐欺に遭うケースも報告されています。適度な警戒心を持ち、安易に信用しないことが重要です。
- パスポートのコピーを用意:万が一、パスポートを紛失・盗難に遭った場合に備え、パスポートの顔写真ページのコピーを複数枚用意し、原本とは別の場所に保管しておきましょう。また、スマートフォンの写真にも保存しておくと便利です。
ベトナムを安全に楽しむためには、常に周囲に気を配り、基本的な防犯意識を持つことが何よりも大切です。楽しい旅行をトラブルなく終えるためにも、これらの対策をぜひ実践してください。
ベトナム通貨「ドン」の基礎知識と桁数に注意すべき理由
ベトナムの通貨は「ベトナムドン(VND)」です。紙幣のみで、硬貨は流通していません。最もよく使われるのは1,000ドン、2,000ドン、5,000ドン、10,000ドン、20,000ドン、50,000ドン、100,000ドン、200,000ドン、500,000ドンです。特に注意すべきは、日本の通貨と比較して桁数が非常に多いことです。例えば、日本円の100円が約2万ドン(20,000VND)に相当するため、慣れないうちは間違えやすいかもしれません。
桁数に注意すべき理由
- 計算ミス・渡し間違い:桁数が多いため、0の数を間違えやすく、支払いの際に高額紙幣と低額紙幣を混同したり、お釣りの計算を間違えたりすることがよくあります。例えば、50,000ドン札と500,000ドン札は色合いが似ているため、特に注意が必要です。支払いの際には、0の数をしっかり確認し、声に出して金額を伝えるなどの工夫をしましょう。
- お釣り詐欺:悪質な店やタクシー運転手の中には、観光客の不慣れな点を狙って、お釣りを少なく渡したり、安い紙幣と高い紙幣をわざと見間違えさせようとしたりするケースも存在します。お釣りを受け取ったら、その場で枚数と金額が正しいか必ず確認してください。
- 高額紙幣への両替要求:屋台や小さな店では、高額紙幣(特に500,000ドン札)を出すと、お釣りがなく断られることがあります。少額の買い物をする際は、なるべく少額紙幣を用意しておくようにしましょう。
紙幣の種類(VND) | 日本円の目安(2025年7月現在) |
500,000 | 約3,000円 |
200,000 | 約1,200円 |
100,000 | 約600円 |
50,000 | 約300円 |
20,000 | 約120円 |
10,000 | 約60円 |
5,000 | 約30円 |
2,000 | 約12円 |
1,000 | 約6円 |
(※為替レートは変動しますので、あくまで目安としてください)
ベトナムドンはポリマー素材でできており、水に強く、破れにくいのが特徴です。慣れてくれば、意外とスムーズに扱えるようになるので、焦らず、落ち着いて対応することが大切です。
現金が足りないときの対処法|ATM・送金サービスの使い方
旅行中に予想外の出費がかさんで、手持ちの現金が足りなくなってしまった!そんな時でも慌てる必要はありません。ベトナムには、現金を引き出すためのいくつかの方法があります。
- ATMの利用ベトナムの主要都市には、多くのATMが設置されています。国際ブランド(Visa、Mastercard、JCBなど)のクレジットカードやデビットカードを持っていれば、現地通貨のベトナムドンを引き出すことが可能です。
- 設置場所: 空港、銀行の支店、ショッピングモール、コンビニエンスストアなど、比較的どこでも見つけることができます。
- 手数料: ATM利用手数料と、カード発行会社が定める海外ATM利用手数料(通常、利用額の1%〜3%程度)がかかります。また、国際為替手数料も発生します。
- 注意点:
- 一台のATMで引き出せる上限額が設定されている場合があります。高額を引き出したい場合は、複数回に分けて引き出すか、別のATMを利用する必要があります。
- スキミング被害のリスクもゼロではありません。できるだけ、銀行の支店に併設されているATMや、人目が多い場所のATMを利用するようにしましょう。
- ATM操作中に不審な動きをする人がいないか、周囲に注意を払いましょう。
- カードがATMに吸い込まれてしまうトラブルも稀に発生します。その際は、すぐにATM設置銀行の営業時間内に連絡し、指示を仰ぎましょう。
- 海外送金サービス万が一、カードの紛失や破損などでATMが利用できない場合や、非常に高額な現金が必要になった場合は、海外送金サービスの利用も検討できます。
- 主なサービス: ウェスタンユニオン(Western Union)やマネーグラム(MoneyGram)などが有名です。
- 利用方法: 日本にいる家族や友人にこれらのサービスを利用して送金してもらい、現地の提携店舗(銀行や両替所など)で受け取る形になります。
- 注意点:
- 手数料が高額になる傾向があります。
- 送金者と受取人の身分証明が必要になります。
- 営業時間内にしか受け取れないため、急を要する場合は時間がかかる可能性があります。
- 事前に利用方法や必要書類を確認しておくとスムーズです。
これらの方法を活用すれば、ベトナム旅行中に現金が不足しても、比較的安心して対応することができます。しかし、何よりも大切なのは、事前に必要な現金を計画的に準備しておくことです。
クレジットカード・電子マネーとの併用術
ベトナムは現金社会であるとはいえ、近年はクレジットカードや電子マネーの普及も進んでいます。特に都市部のホテルや大型商業施設、一部のレストランなどでは、これらのキャッシュレス決済が利用可能です。現金と上手く併用することで、より安全でスマートな旅が実現できます。
【以下で分かること】
- ベトナム旅行で利用しやすいクレジットカードの種類
- 現地で使える電子マネーの種類と利用状況
- 主要な場所での支払い方法の傾向
- カード利用時の注意点と海外旅行保険の活用法
ベトナム旅行におすすめのクレジットカードとは?
ベトナム旅行に持っていくクレジットカードは、国際ブランドが重要です。一般的に、VisaとMastercardが最も普及しており、ほとんどの場所で利用できます。JCBやAmerican Expressも利用できる場所はありますが、VisaやMastercardに比べると限られる傾向にあります。
- メインカードはVisaかMastercardを:どちらか一枚は必ず持っていくようにしましょう。可能であれば、万が一の紛失や破損に備えて、異なるブランドのカードを2枚以上持っていくのが安心です。
- 海外ATM対応のカードを:現地で現金を下ろす可能性があるため、海外ATMでのキャッシング機能が付帯しているカードを選びましょう。ただし、キャッシングは借金となるため、帰国後すぐに繰り上げ返済することをおすすめします。
- 海外旅行保険付帯のカードを:多くのクレジットカードには、海外旅行保険が自動付帯または利用付帯しています。医療費が高額になる海外では、万が一の病気や怪我に備えて、保険が付帯しているカードを選ぶと良いでしょう。補償内容や利用条件を事前に確認しておくことが重要です。
- 年会費無料のカードも検討:年に数回しか海外旅行に行かない場合は、年会費無料のカードでも十分な場合があります。ただし、補償内容やサービスは年会費有料のカードに劣ることもあるため、ご自身の旅行スタイルに合わせて選びましょう。
- 利用限度額の確認:旅行中に大きな買い物を予定している場合は、カードの利用限度額を事前に確認し、必要であれば一時的に増額申請をしておきましょう。
海外でのクレジットカード利用は、現金を持ち歩くリスクを減らし、高額な買い物をする際に便利です。ただし、小規模な店舗や屋台では使えないことがほとんどなので、あくまで現金との併用を前提に準備を進めましょう。
現地で使える電子マネー事情|GrabPayやMomoは使える?
ベトナムでも電子マネーは少しずつ普及していますが、日本ほど浸透しているわけではありません。特に観光客が手軽に利用できる電子マネーはまだ限られています。
- GrabPay(グラブペイ):配車アプリ「Grab」のアプリ内決済サービスです。Grabはベトナムで非常に普及しており、タクシーの配車だけでなく、バイクタクシー、フードデリバリー、荷物配達など、多岐にわたるサービスを提供しています。GrabPayにクレジットカードを登録しておけば、これらのサービスをキャッシュレスで利用できるため、非常に便利です。特にGrabタクシーの利用では、メーターの心配がなく、事前に料金がわかるため、観光客にとっては安心感があります。
- Momo(モモ):ベトナムで最も普及しているモバイルウォレット(電子マネー)です。公共料金の支払い、銀行送金、オンラインショッピング、提携店舗での支払いなど、幅広い用途で利用されています。しかし、Momoの利用にはベトナムの銀行口座や電話番号が必要な場合が多く、観光客が気軽にアカウントを作成してチャージするのは難しいのが現状です。長期滞在者や現地に友人がいる場合は便利ですが、短期旅行者にはあまり現実的ではありません。
- QRコード決済:一部の大型スーパーマーケットやコンビニエンスストア、チェーン店などでは、QRコード決済が導入されているところもあります。しかし、利用できるのはベトナム現地のQRコード決済サービスが主で、日本のPayPayやLINE Payなどが直接使えるケースは非常に稀です。
現状では、ベトナム旅行において電子マネーをメインの支払い手段とすることは難しいでしょう。GrabPayはGrabのサービスを利用する際に非常に便利ですが、それ以外の場面では現金が最も確実な支払い方法となります。今後、観光客向けの電子マネーサービスが充実していく可能性はありますが、現時点ではあくまで補助的な支払い方法として認識しておくのが賢明です。
ホテル・レストラン・観光地での支払い方法の傾向
ベトナムでの支払い方法は、場所によって大きく傾向が異なります。旅行中に困らないよう、それぞれの場所での支払い方法を事前に把握しておきましょう。
- ホテル高価格帯のホテルや国際的なチェーンホテルでは、ほとんどの場合、クレジットカード(Visa、Mastercardが主流)の利用が可能です。チェックイン時のデポジット(保証金)もクレジットカードで支払うことが一般的です。一方、リーズナブルなゲストハウスやローカルな宿泊施設では、現金払いのみの場所も少なくありません。予約サイトなどで事前に支払い方法を確認しておくのがおすすめです。
- レストラン高級レストランや外国人観光客向けのモダンなレストランでは、クレジットカードの利用が可能です。特に、都市部のショッピングモール内にある飲食店や、人気のあるカフェなどでは、キャッシュレス決済に対応しているところが増えています。しかし、ローカルな食堂や屋台、地元の人が利用する小さなレストランでは、現金払いのみが一般的です。ベトナムの食文化を深く体験したいのであれば、現金は必須と言えます。
- 観光地主要な観光地の入場料やガイドツアーの料金は、クレジットカードで支払える場所も増えてきています。特に、博物館や美術館、歴史的建造物など、政府が管理している施設ではカード決済に対応していることが多いです。しかし、個人経営のお土産物店や露店、地元の市場などでは、現金払いが基本です。また、寺院などでの寄付や、個人ガイドへのチップなども現金が求められます。
- 交通機関タクシー(メータータクシー)やGrabタクシー・バイク、公共バスなど、ほとんどの交通機関で現金での支払いが主流です。Grabを利用する場合は、アプリ内でクレジットカードを登録しておけばキャッシュレス決済が可能ですが、ドライバーによっては現金払いを求めてくる場合もあります。長距離バスや鉄道のチケットは、窓口で購入する場合は現金、オンライン購入の場合はクレジットカードが利用できます。
総じて、ベトナムでは現金が最も確実で汎用性の高い支払い方法です。クレジットカードは都市部の特定施設でのみ利用できるものと考え、常に一定額の現金は持ち歩くようにしましょう。
カードのスキミング対策と海外旅行保険の活用法
海外でのクレジットカード利用には便利な反面、スキミングや不正利用といったリスクも潜んでいます。安心してカードを利用するために、以下の対策を講じましょう。また、万が一の事態に備えて海外旅行保険の活用も重要です。
スキミング対策
スキミングとは、クレジットカードの磁気情報を不正に読み取り、偽造カードを作成して悪用する犯罪です。
- 怪しいATMや決済端末には注意: 人里離れた場所にあるATMや、見た目が不自然な決済端末での利用は避けるのが賢明です。特に、カード挿入口やキーパッドに不自然な突起物がないか確認しましょう。
- カード情報を盗み見られないようにする: 暗証番号(PIN)を入力する際は、必ず手で覆い隠すなどして、周囲から見えないように注意しましょう。
- カードから目を離さない: レストランなどで店員にカードを渡す際は、目の届く範囲で決済をしてもらうようにしましょう。奥に持って行かれるような場合は、同行するか、現金払いを検討することも一案です。
- 利用明細をこまめに確認: 帰国後だけでなく、旅行中もオンラインで利用明細をこまめにチェックし、身に覚えのない請求がないか確認しましょう。
- 不審な連絡には応じない: クレジットカード会社や銀行を装った不審なメールやSMS、電話には注意し、安易に個人情報を提供しないようにしましょう。
海外旅行保険の活用法
多くのクレジットカードには海外旅行保険が付帯していますが、補償内容や金額はカードによって大きく異なります。
- 補償内容の確認: 医療費、携行品損害(カメラ、スマートフォンなどの盗難・破損)、航空機の遅延・欠航、賠償責任など、ご自身の旅行スタイルに必要な補償が含まれているか確認しましょう。特に医療費は高額になることが多いため、十分な補償額があるか確認が重要です。
- 自動付帯か利用付帯か: クレジットカードを持っているだけで保険が適用される「自動付帯」と、そのカードで旅費などを支払った場合に適用される「利用付帯」があります。ご自身のカードがどちらのタイプか確認し、必要であれば利用条件を満たしておきましょう。
- 複数の保険を組み合わせる: クレジットカードの付帯保険だけでは補償が不十分な場合もあります。その際は、別途、海外旅行保険に加入することを検討しましょう。複数のカードの保険を組み合わせることで、補償額を上乗せできる場合もあります。
- 緊急連絡先の確認: 万が一の事態に備え、加入している保険会社の緊急連絡先を控えておきましょう。
海外旅行保険は「もしも」の時に大きな安心を与えてくれます。出発前にしっかりと準備をして、安心して旅を楽しみましょう。
参照元:外務省 海外安全ホームページ「海外におけるクレジットカードの注意点」
お金の分散管理テクニック|財布を2つ持つ?
海外旅行での金銭管理において最も重要なのは、リスクを分散させることです。全てのお金を一箇所にまとめて持ち歩くのは非常に危険。万が一、盗難や紛失に遭った場合、旅の継続が困難になってしまう可能性があります。そこでおすすめしたいのが、お金の分散管理テクニックです。
- 財布を2つ以上持つこれは最も基本的な分散管理方法です。
- メインの財布: その日に使う予定の少額の現金のみを入れ、常に持ち歩きます。目立つ場所に出し入れせず、必要な時だけサッと取り出すようにしましょう。
- サブの財布(緊急用): 残りの現金(高額紙幣)や予備のクレジットカード、パスポートのコピーなどを入れ、セキュリティポーチやボディバッグなどに入れて服の中に隠して持ち歩きます。または、ホテルのセーフティボックスに保管しておくのも良いでしょう。
- ダミーの財布(おとり用): 最悪の事態に備えて、少額の現金や期限切れのカードなど、いかにも財布に見えるようなダミーを用意しておくのも有効です。万が一、強盗に遭遇した際にこれを渡すことで、メインの財布を守れる可能性があります。
- 現金を複数の場所に分けて保管する財布だけでなく、以下のような場所に現金を分けて保管することも有効です。
- ホテルのセーフティボックス: パスポートの原本や高額の現金、予備のクレジットカードなど、普段使わない貴重品はホテルに預けるのが最も安全です。
- 分散して身につける: セキュリティポーチ、マネーベルト、パスポートケースなど、肌身離さず身につけられるアイテムを活用し、現金を複数に分けて隠しましょう。
- 異なるバッグに入れる: メインバッグとサブバッグ、あるいはハンドバッグとリュックサックなど、異なるバッグの複数のポケットに現金を分散して入れておくのも良いでしょう。
- クレジットカードとデビットカードを使い分ける現金だけでなく、クレジットカードやデビットカードも分散させて持ち歩くことが重要です。
- 異なるブランドのカードを複数持つ: VisaとMastercardなど、異なるブランドのカードを2枚以上持っていくことで、片方が使えない場合でも安心です。
- 用途を分ける: 一枚はキャッシング用、もう一枚はショッピング用といった具合に、用途を分けて管理するのも効果的です。
- パスポートや重要書類のコピーを用意する万が一、財布や貴重品が盗難に遭っても、パスポートのコピーや航空券の控えなどがあれば、その後の手続きがスムーズになります。スマートフォンの写真に保存しておくほか、クラウドサービスにもアップロードしておくと良いでしょう。
これらの対策を講じることで、ベトナム旅行中の金銭的なリスクを最小限に抑え、安心して旅を楽しむことができます。備えあれば憂いなし、ですね。
ベトナム旅行 現金はいくら必要か?【まとめ】
ベトナム旅行を計画する上で、「現金はいくら持っていけばいいのか?」という疑問はつきものです。ここまで解説してきた通り、ベトナムはまだまだ現金が主流の社会であり、適切な現金の準備と管理が、快適な旅の鍵となります。
- ベトナムは現金社会:ローカルな場所(屋台、市場、個人商店など)では現金が必須です。クレジットカードだけでは不便な場面が多いでしょう。
- 現金目安は1日あたり5,000円〜10,000円:宿泊費を除き、食費、交通費、観光費、お土産代などとして、この程度の現金を見込んでおくと安心です。
- 現地両替がお得:日本での両替よりも、ベトナム現地の市中両替所(金行)がレートが良い傾向にあります。空港では必要最低限に留め、残りは市内で両替するのが賢明です。
- ドンは桁数が多い:ベトナムドンは0の数が多いため、支払い時のお釣りや計算には細心の注意が必要です。詐欺や渡し間違いに気をつけてください。
- 防犯対策は必須:スリやひったくりなどの軽犯罪に注意し、現金の分散管理、バッグの持ち方、夜間の外出時の警戒などを徹底しましょう。
- ATMも活用できる:緊急時にはATMで国際ブランドのクレジットカードやデビットカードから現地通貨を引き出せますが、手数料とスキミングリスクには注意が必要です。
- クレジットカードは補助的に:VisaやMastercardは、都市部のホテルや大型レストランなどで利用できますが、あくまで現金の補助と考えましょう。海外旅行保険付帯のカードがおすすめです。
- 電子マネーはまだ限定的:GrabPayは配車サービスなどで便利ですが、Momoなど現地の主要電子マネーは観光客には利用が難しいことが多いです。
- お金の分散管理を徹底:財布を複数持つ、現金を複数の場所に分けるなど、万が一の盗難・紛失に備えてリスクを分散させましょう。
- 海外旅行保険で安心を:クレジットカード付帯の保険や、別途加入する海外旅行保険で、万が一の病気や盗難に備え、安心して旅を楽しみましょう。
コメント