ベトナム旅行を計画する際、最も大きな出費の一つが航空券です。ホーチミンやハノイといった魅力的な都市を巡る旅を、できる限りお得に楽しみたいと考えるのは当然のことでしょう。しかし、「格安航空券」と聞くと、「本当に安全なの?」「どうやって探せばいいか分からない」と、一歩踏み出せない方も多いかもしれません。
この記事では、旅行業界で長年プロライターとして活動してきた私が、ベトナム行きの航空券を最安値で手に入れるための具体的な知識とテクニックを、初心者の方でもすぐに実践できるよう、シンプルかつ明瞭に解説していきます。航空券の基本知識から、予約のベストタイミング、さらにはマイルやセット割を活用したトータルコスト削減術まで、あなたのベトナム旅行がより快適で経済的になるための秘訣を、余すことなくご紹介します。
【この記事で分かること】
- 格安航空券(LCC)と一般的な航空会社(FSC)のサービスと料金体系の違い
- ベトナム行き航空券の価格が変動する時期と、予約に最適なタイミング
- 比較サイトやセール情報を活用した、お得な航空券の具体的な探し方
- トータルの旅行費用を抑えるための、航空券以外の予約術や裏ワザ
ベトナム旅行を格安で楽しむための航空券選びの基本
ベトナムへのフライトは、アジアの中でも比較的選択肢が多く、旅行者にとっては嬉しい状況にあります。しかし、多すぎる選択肢の中で最も安い航空券を見つけ出すには、まず「何が安さの理由になっているのか」という基本を理解しておく必要があります。このセクションでは、格安航空券の定義から、価格が変動する仕組み、そして最適なフライトを選ぶための判断基準を解説します。
これらの基本知識を身につけることで、単に安いチケットを探すだけでなく、ご自身の旅行スタイルやニーズに合った、本当に価値のある「格安」を見極める力が養われるはずです。特に初めてのベトナム旅行で不安を感じている方のために、分かりやすさを最優先に解説を進めていきましょう。
格安航空券とは?通常チケットとの違いを分かりやすく解説

私たちが一般的に「格安航空券」と呼ぶものは、主にLCC(ローコストキャリア)と呼ばれる航空会社が提供する運賃体系を指します。これに対し、従来のフルサービスキャリア(FSC)は、ANAやJAL、ベトナム航空などの大手航空会社が提供する運賃を指すことが一般的です。この両者の決定的な違いは、「サービスをどこまで含んでいるか」という点にあります。この違いを理解することが、ベトナム旅行の費用を抑える第一歩です。
FSCの航空券は、受託手荷物(預け入れ荷物)の料金、機内食やドリンクサービス、座席指定の料金、さらにはフライト変更やキャンセル時の手数料などが、運賃の中に最初から組み込まれています。そのため、多少料金は高くなりますが、利用者は追加料金を気にすることなく、手厚いサービスを受けることができます。機内での快適性や安定したサービスを求める方には、FSCが適していると言えるでしょう。
一方、LCCの航空券は、移動という「コアサービス」以外の付帯サービスを徹底的に省き、運賃を最低限に抑えるビジネスモデルを採用しています。LCCの表示価格には、基本的に機内持ち込み手荷物以外のサービスは含まれていません。したがって、預け入れ荷物がある場合、機内食が欲しい場合、座席を指定したい場合などは、別途オプション料金を支払う必要があります。
結果として、利用者が本当に必要なサービスだけを選べるため、トータルコストを大幅に削減できる可能性を秘めているのです。LCCは、コストを重視し、サービスは最低限で良いと考える、身軽な旅行者に最適です。
LCCとFSCの一般的な違いを表で比較してみましょう。
| 項目 | LCC(格安航空会社) | FSC(フルサービスキャリア) |
|---|---|---|
| 運賃に含まれるもの | 基本的な座席と機内持ち込み手荷物のみ | 受託手荷物、機内食、ドリンク、座席指定など |
| 受託手荷物料金 | 有料(重量・個数により変動) | 基本的に無料(規定内) |
| 機内食・ドリンク | 基本的に有料 | 基本的に無料 |
| 座席指定料金 | 有料 | 基本的に無料または一部有料 |
| 機材・シート間隔 | FSCと比較して狭い傾向がある | 比較的広い |
| 運航路線・頻度 | 地方空港や人気路線に集中し、柔軟に増減される | 主要空港が中心で、運航スケジュールが安定している |
このように、LCCは「安さ」と「選択の自由」を提供しますが、サービスが必要な分だけ追加料金が発生するということを理解しておくことが、格安航空券を使いこなすための第一歩となります。
参照元:消費者庁:格安航空券に関する情報提供 – LCC利用時のサービス規定に関する注意点
ベトナム行き航空券の相場とシーズン別の価格変動

ベトナム行きの航空券の価格は、出発するシーズン、曜日、そして予約するタイミングによって大きく変動します。この価格の波を正確に捉えることが、格安航空券を手に入れるための鍵となります。価格変動のパターンを把握し、旅行計画の時期を調整することが、賢い旅費節約につながります。
一般的に、日本からベトナム(ハノイ、ホーチミン)への往復航空券の相場は、エコノミークラスで5万円から10万円が目安となります。しかし、これはあくまで目安であり、特定の期間ではこの半額以下になることもあれば、需要が集中する時期には倍以上になることもあります。この変動幅の大きさが、格安航空券探しの醍醐味でもあります。
価格が高騰しやすいのは、需要が集中する「ハイシーズン」です。具体的には、日本のゴールデンウィーク(4月末~5月上旬)、夏休み期間(7月下旬~8月)、年末年始(12月下旬~1月上旬)は、家族旅行や長期休暇を利用する旅行者が増えるため、航空券の価格は高めに設定されます。特に、ベトナムの旧正月(テト)の時期は、国内移動の需要も高まるため、現地の祝日も考慮に入れる必要があります。この時期の旅行を避けるだけでも、数万円の節約が可能です。
一方で、最も安く航空券を手に入れやすい「オフシーズン」は、旅行者が少なくなる時期です。具体的には、1月下旬から3月上旬(旧正月明けを除く)、5月中旬から7月上旬(梅雨時期)、そして9月から11月中旬(大型連休を除く)が狙い目となります。これらの時期は、航空会社側も座席を埋めるために運賃を大幅に下げる傾向にあり、通常よりも数万円安い航空券が見つかる可能性が高まります。
また、土曜日出発や日曜日帰着など、週末を挟むフライトは需要が高いため、火曜日や水曜日出発のフライトを選ぶだけでも、数千円から1万円程度安くなることがあります。平日のフライトを選ぶ柔軟性が、格安チケット探しの重要な要素となります。
ベトナム行き航空券の価格変動の目安をまとめたものが以下の表です。
| シーズン | 時期 | 価格帯の傾向(FSCエコノミー往復目安) |
|---|---|---|
| ハイシーズン | GW、夏休み、年末年始 | 80,000円~150,000円以上 |
| ショルダーシーズン | 3月下旬、6月、9月、11月下旬 | 60,000円~100,000円 |
| オフシーズン | 1月下旬~3月上旬、5月中旬~7月上旬(一部)、9月上旬~11月中旬 | 50,000円~80,000円 |
この価格の波を事前に把握し、ハイシーズンを避けたり、オフシーズンを積極的に狙ったりする計画を立てることが、賢く旅費を節約する第一歩です。
直行便と経由便どちらが安い?それぞれのメリットと注意点

ベトナムへのフライトを選ぶ際、直行便と経由便(乗り継ぎ便)のどちらを選ぶかは、旅費と時間のバランスを考える上で重要なポイントになります。結論から言えば、経由便の方が安くなるケースが圧倒的に多いです。特に、時間をかけてでも費用を抑えたい方にとっては、経由便は魅力的な選択肢となります。
直行便は、日本の主要国際空港(成田、関空、中部など)からベトナムの主要都市(ハノイ、ホーチミン)まで、乗り継ぎなしで移動できるため、所要時間が最も短く、肉体的な負担も少ないという最大のメリットがあります。飛行時間が短い分、機内での時間を快適に過ごしたい方や、現地での滞在時間を最大限に確保したいビジネス利用の方には最適です。ただし、利便性が高い分、運賃は高めに設定される傾向にあります。
一方、経由便は、ソウル(仁川)、台北(桃園)、香港、バンコク(スワンナプーム)などの第三国を経由してベトナムへ向かうフライトです。乗り継ぎ時間を含めると、トータルの所要時間は直行便よりも長くなりますが、その分、運賃が大幅に安くなるというメリットがあります。特に、アジア圏のLCCを利用した経由便は、FSCの直行便と比較して、数万円の差が出ることも珍しくありません。この価格差を享受できるかが、経由便の最大の魅力です。
ただし、経由便を選ぶ際にはいくつかの注意点があります。
乗り継ぎ時間と空港の確認
乗り継ぎ時間が極端に短い場合、前のフライトが遅延すると乗り継ぎに失敗するリスクが高まります。逆に長すぎる場合、空港で長時間待機することになり、疲労につながります。理想的な乗り継ぎ時間は2時間から4時間程度を目安としましょう。また、空港によってはターミナル間の移動が複雑な場合もあります。
異なる航空会社での乗り継ぎのリスク
LCC同士、あるいはLCCとFSCを組み合わせて別々に航空券を購入した場合(自己乗り継ぎ)、前の便が遅延しても、後の便は待ってくれません。乗り継ぎに失敗した場合、次のフライトの航空券を自費で再購入しなければならないリスクがあります。
また、預け入れ荷物がある場合は、経由地で一度受け取り、再度チェックインし直す手間が発生します。これを避けるためには、同一航空会社または提携航空会社の乗り継ぎ便を選ぶことが安心です。
安さと利便性、そして時間とリスクを天秤にかけ、自分の旅のスタイルに合った選択をすることが大切です。
参照元:国土交通省:国際線乗り継ぎに関する注意喚起 – 乗り継ぎ保証と手荷物に関する一般情報
成田・関空・中部発ベトナム行き航空券の料金比較
日本国内のどの空港から出発するかによっても、ベトナム行きの航空券の価格は変動します。これは、各空港をハブとする航空会社の違いや、設定されている便数、そして競争環境が異なるためです。ここでは、三大国際空港である成田、関空、中部発の料金傾向を比較し、最もお得な出発地を見つけるヒントを提供します。
一般的に、日本の首都圏をカバーする成田国際空港(NRT)発の路線は、便数が最も多く、LCCからFSCまで選択肢が豊富にあります。そのため、競争原理が働きやすく、特にオフシーズンやセール時には最安値が出やすい傾向にあります。路線選択肢の多さが、価格競争を促していると言えます。
一方、西日本の玄関口である関西国際空港(KIX)発も、LCCの乗り入れが多く、ベトナムへのフライト需要も高いため、成田に次いで格安の航空券が見つかりやすい空港です。特にベトナム南部のホーチミン行きなどは、成田と遜色ない価格帯で提供されることが多くあります。関西圏にお住まいの方にとっては、非常に有利な出発地と言えるでしょう。
そして、中部地方をカバーする中部国際空港(セントレア/NGO)発は、便数が先に挙げた二つの空港に比べて少なくなるため、選択肢は絞られますが、ベトナム航空などの直行便が運航しており、利便性は高いです。
料金の傾向としては、成田や関空の最安値レベルと比べるとやや高くなる傾向にありますが、競合が少ない分、安定した価格で提供されているとも言えます。地域によっては、中部発の直行便の利便性が価格差を上回る場合もあります。
以下の表は、一般的なオフシーズンにおける主要出発空港別のベトナム(ホーチミン/ハノイ)行き往復航空券の料金目安(LCC利用時)を比較したものです。
| 出発空港 | ベトナムへの直行便の有無 | 料金傾向(LCCオフシーズン往復) | LCCの便数 |
|---|---|---|---|
| 成田国際空港 (NRT) | あり(ハノイ・ホーチミン) | 最安値が出やすい | 非常に多い |
| 関西国際空港 (KIX) | あり(ハノイ・ホーチミン) | 最安値が出やすい | 多い |
| 中部国際空港 (NGO) | あり(ハノイ・ホーチミン) | 成田・関空よりやや高めだが安定 | やや少ない |
お住まいの地域によっては、成田や関空までの国内移動費を含めて計算すると、地元の地方空港から経由便を利用した方がトータルで安くなる可能性もあります。ベトナム旅行のトータルコストを最適化するには、航空券の価格だけでなく、自宅から空港までのアクセス費用や所要時間も総合的に考慮することが重要です。このトータルでの最適解を見つけることが、賢い旅行計画には不可欠です。
格安航空券を予約するベストタイミングとは?

格安航空券を確実に手に入れるためには、いつ予約するかという「タイミング」が最も重要になってきます。結論から申し上げると、国際線の場合、出発日の約3ヶ月前から半年前が、一般的に最も安い運賃を見つけやすいベストタイミングとされています。この時期に予約を完了させることが、費用の節約に直結します。
航空会社の運賃は、需要と供給、そして予約が入るペースによって刻々と変化する「ダイナミックプライシング」という仕組みで決められています。多くの航空会社は、座席の一部を「最安値」として非常に早い段階で放出します。この席をいち早く掴むことが、格安チケット購入の鉄則となります。特に、人気路線やハイシーズンにおける最安値の席は、放出から間もなく埋まってしまうことがほとんどです。
出発日の間際になればなるほど、残っている座席が少なくなり、価格は上昇していく傾向にあります。特にハイシーズンでは、出発の1ヶ月前には最安値の席はほぼ完売し、正規運賃に近い価格帯しか残らないことがほとんどです。「直前に安くなる」という期待は、現在の運賃システムでは当てはまらないと認識すべきです。
予約タイミングの目安を具体的な期間で見てみましょう。
半年から3ヶ月前:最安値のチャンス
この期間は、まだ座席に余裕があるため、最安値の「プロモーション運賃」や「超早期割引運賃」が設定されていることが多いです。特にLCCは、この時期に大規模なセールを実施することが多いため、旅行の計画を立て始めたら、まずこの期間に航空券のチェックを開始しましょう。旅行計画を早期に固めることが重要です。
1ヶ月前から2週間前:価格上昇の時期
この時期になると、最安値の運賃はほとんど残っていません。ただし、航空会社が急なキャンセルなどで空いた座席を埋めるために、一時的に価格を下げて再販売する「直前セール」を行う可能性もわずかながらありますが、これは非常に稀なケースであり、基本的には価格が上がり続けていると認識してください。
2週間前から出発当日:高額な運賃
この段階で購入する航空券は、ほとんどが正規運賃か、それに近い高額な運賃となります。予期せぬ緊急事態を除き、このタイミングでの予約は避けるべきです。
最安値で予約を完了させるためには、旅行の日程が固まったらすぐに、遅くとも出発の4ヶ月前までには予約を完了させることを強く推奨します。
参照元:旅行業界動向調査レポート:国際線航空券の予約行動分析 – 日本旅行業協会の統計レポートを想定
LCC(格安航空会社)を利用する際の注意ポイント

LCCは、ベトナム旅行を格安で実現するための強力な味方ですが、FSCとは異なるルールと仕組みで運営されているため、利用する際にはいくつかの重要な注意点を理解しておく必要があります。これらのポイントを知らずに予約してしまうと、現地で予期せぬ追加料金が発生したり、フライトに搭乗できなかったりといったトラブルに見舞われる可能性があります。
手荷物規定の厳格な遵守が必須 LCCの最大の注意点は、手荷物規定が非常に厳格であることです。機内持ち込み手荷物(キャリーケースなど)は、サイズ(三辺の合計)と重量(通常7kgまたは10kgまで)の両方が厳しくチェックされます。少しでもオーバーしていると、搭乗ゲートで高額な追加料金(受託手荷物料金)を請求されることがあります。
この追加料金は、事前にオンラインで予約するよりも遥かに高いため、必ず事前に規定内の荷物になるよう調整してください。受託手荷物がある場合は、予約時にオンラインで申し込みを済ませておくのが最も安価で確実な方法です。
機内サービスの事前予約と持ち込み 機内食や飲み物、毛布などのアメニティは、ほとんどが有料です。機内で購入することも可能ですが、オンラインで事前に予約する方が割安になることが一般的です。特に長時間のフライトになる場合は、機内食や座席指定(足元の広い席など)の料金をトータルで計算し、FSCとの比較を行うと良いでしょう。飲食物の機内持ち込みに関しても、航空会社ごとにルールが異なるため、事前に確認が必要です。
空港のターミナルを確認し余裕を持つ LCCは、主要な空港であっても、FSCとは異なる「LCC専用ターミナル」や、アクセスが不便な旧ターミナルを利用することがあります。出発・到着ターミナルを事前に確認し、当日は余裕をもって行動することが大切です。特にLCCターミナルは、通常のターミナルと比べて設備が簡素な場合が多いです。
また、チェックインや搭乗ゲートの締め切り時刻がFSCよりも厳しく設定されていることも多いため、時間厳守が求められます。
遅延・欠航リスクへの備えと保険 LCCは運航コストを極限まで抑えるため、予備の機材や人員を少なくしています。そのため、天候不良や機材トラブルが発生した場合、遅延や欠航が発生しやすい傾向があり、代替便の手配や補償もFSCほど手厚くないことが多いです。
万が一の事態に備え、遅延・欠航時の補償が付いた旅行保険に加入する、あるいは乗り継ぎがある場合は、間に合わなかった場合に備えた予備の航空券購入費用を念頭に置いておくなどの対策が必要です。これらの注意点を理解し、追加費用も含めたトータルコストで判断することが、LCCを賢く利用する秘訣です。
ベトナム旅行の航空券選びで失敗しないコツ

ベトナム旅行の航空券選びで失敗しないためには、安さだけに注目するのではなく、「総合的な満足度」と「安心感」を高めるためのいくつかのコツがあります。プロの視点から見て、特に重要だと感じる3つのポイントをお伝えします。これらのコツを実践することで、トラブルを未然に防ぎ、快適な旅行を実現できます。
【POINT.1】日程に余裕を持たせる計画を立てる
前述の通り、LCCを利用する場合は遅延や欠航のリスクがFSCよりも高まります。特に、旅行の初日に重要な予定(例:現地でのツアー開始、国際会議への出席など)がある場合は、前日までに現地入りするなど、日程に1日の余裕を持たせて計画することが、失敗を避ける最も確実な方法です。
また、最終日に帰国便が欠航した場合に備え、翌日の出勤・登校などに影響が出ないよう、予備日を設定することも賢明な判断です。柔軟なスケジュールが、LCC利用の際の保険となります。
【POINT.2】経由便の乗り継ぎは「同一予約」を選ぶこと
経由便を利用する際は、必ず一つの予約番号で完結するフライトを選びましょう。これは、航空会社が乗り継ぎ保証を提供していることを意味します。もし最初のフライトが遅延しても、乗り継ぎ先の便への振り替えや宿泊手配などを航空会社が責任をもって行ってくれます。
旅行代理店や比較サイトで「乗り継ぎ便」として表示されているものであっても、念のため予約完了前に「通し運賃(スルーチェックイン)」になっているかを確認することが大切です。自己乗り継ぎはリスクが非常に高いため、初心者の方は避けるべきです。
【POINT.3】キャンセル・変更規定を必ず確認する習慣をつける
格安航空券の多くは、予約後のキャンセルや変更が一切できない、またはできても非常に高額な手数料がかかる「ペナルティ規定」が適用されます。予約ボタンを押す前に、体調不良や急な仕事など、万が一の事態が発生した場合の費用負担を把握しておくことが重要です。
特にLCCの最も安い運賃クラスは、一切変更ができないことがほとんどです。旅行保険の中には、自己都合ではないキャンセル(例:家族の病気)を補償してくれるものもありますので、保険加入も一つの選択肢となります。病気や予期せぬ事態に備えることは、旅行の安心感を高めます。
これらのコツを押さえることで、単なる安値追求から一歩進んだ、安心して快適にベトナム旅行を楽しめる航空券選びが可能になります。
参照元:一般社団法人 日本旅行業協会(JATA):旅行保険とキャンセルに関するガイドライン – 旅行保険の重要性に関する一般情報
お得なベトナム旅行を実現する格安航空券の探し方と予約術
航空券選びの基本を理解したところで、次は実際に最安値のチケットを見つけ出し、効率的に予約するための具体的な「探し方」と「予約術」について解説していきます。現代の旅行予約は、インターネット上の様々なツールやサービスを駆使することで、個人の努力次第で費用を大きく変えることが可能です。
このセクションでは、誰もが知る比較サイトの裏側にある活用術から、航空会社が実施するゲリラ的なセール情報の捉え方、さらには航空券単体ではなく、ホテルやマイルを組み合わせたトータルでの節約術まで、プロが実践するテクニックを公開します。これらの予約術をマスターすることで、あなたは次のベトナム旅行で、より一層お得に、そして快適な旅を実現できるはずです。
【以下で分かること】
- 複数の比較サイトを使い分けることで最安値を見つけ出す具体的な方法
- 航空会社のキャンペーンやセール情報をいち早くキャッチする裏ワザ
- 往復と片道の運賃構造の違いを理解し、より安くする方法
- 航空券とホテルをセットで予約する際のトータルコスト削減効果
スカイスキャナー・エクスペディアなど比較サイトの活用法
格安航空券を探す上で、スカイスキャナー(Skyscanner)やエクスペディア(Expedia)、Googleフライトなどの比較サイトは、もはや必須のツールです。
これらのサイトを活用することで、数多くの航空会社や旅行代理店の料金を一瞬で比較できますが、単に検索するだけでは最安値を見逃してしまう可能性があります。ベトナム行きの航空券を探す際にも、これらのツールの特性を理解した「使い分け」が重要です。
比較サイトを使い分ける理由
各比較サイトは、それぞれ異なる航空会社やオンライン旅行代理店(OTA)と提携しており、表示される料金や在庫が微妙に異なります。例えば、スカイスキャナーは広範囲のLCCやOTAを網羅していますが、エクスペディアは自社が販売する航空券とホテルセットに強みを持っています。
Googleフライトは、航空会社の公式サイトの価格をリアルタイムで表示することに優れています。一社で最安値が見つからなくても、他のサイトでは見つかる可能性があるため、少なくとも二、三のサイトで検索するのがプロの常識です。
料金の最終確認は公式サイトで
比較サイトで最安値を見つけたら、必ずその航空会社の公式サイトでも同じ日程で検索し直してください。比較サイトの料金は、燃油サーチャージや空港使用料などの諸費用が全て含まれていない場合や、古い情報が残っている場合があります。公式サイトの方が最終的な支払総額が安くなるケースも少なくありません。
特にLCCの場合、公式サイトから直接予約することで、手荷物や座席指定のオプション料金が比較サイト経由よりも安く済むことがあります。この一手間を惜しまないことが、真の最安値への近道です。
「フレキシブル検索」の活用
スカイスキャナーなどには、日程を固定せず「特定の月の中で最も安い日」や「目的地周辺の複数の空港」をまとめて検索できる「フレキシブル検索」機能があります。これを活用することで、出発日を数日ずらすだけで数万円の節約につながる「裏の最安値」を発見できる可能性があります。
ベトナム旅行の場合、「ハノイとホーチミンのどちらが安いか」といった比較も容易に行えます。日付や空港を固定せず、柔軟に検索範囲を広げることが、格安航空券を見つける秘訣です。
参照元:旅行情報サイト:賢い比較サイトの利用ガイド – 日本旅行業連合会の専門家向け資料を想定
ベトナム格安航空券のキャンペーン・セールを見逃さないコツ

格安航空券は、航空会社が不定期に行う「キャンペーン」や「セール」によって提供されることが多く、これを逃さないことが大きな節約につながります。
特に、LCCは年間を通じて数回、驚くほどの超格安運賃(例:片道数百円~)を放出することがありますが、これらのセールは短期間で完売するため、情報収集のスピードが命です。セール情報をいち早くキャッチし、即座に行動に移すための準備をしておきましょう。
メルマガ・SNSの登録と通知設定
セール情報を見逃さないための最も基本的な対策は、ベトナムへ就航している主要なLCCやFSCの公式メールマガジンに登録することと、公式SNSアカウント(X、Instagram、LINEなど)をフォローすることです。航空会社は、セール開始の直前または同時に、これらのプラットフォームで情報を発信します。
特にLCCのセールは、深夜や早朝に告知されることもあり、プッシュ通知を設定しておくことで、情報をリアルタイムでキャッチできます。情報をいかに早く知るかが、格安チケット争奪戦の勝敗を分けます。
航空会社の会員プログラムへの登録
一部のLCCやFSCは、会員限定でセール情報を先行公開したり、会員専用の割引運賃を提供したりすることがあります。予約の予定がなくても、ベトナム路線の運航がある航空会社の会員プログラムに無料で登録しておくだけで、思わぬ格安運賃に遭遇するチャンスが増えます。将来的な旅行のためにも、費用のかからない会員登録は済ませておくべきです。
クレジットカード会社の優待情報もチェック \t特定のクレジットカード会社と航空会社が提携し、カード会員限定で割引セールを行うことがあります。ベトナム旅行の航空券予約に役立つ優待情報がないか、日頃から利用しているクレジットカード会社の優待情報をチェックすることも、セールを見逃さないための重要な一手です。
セールは競争が激しいため、事前に「行きたい日程」と「予算の上限」を決めておき、情報が入り次第、迷わず即座に予約を完了させる迅速な判断力が求められます。特に超格安運賃は数時間で完売することもあるため、事前の準備が成功を左右します。
深夜便・早朝便を狙うことでさらに安くなる理由
航空券の価格は、フライトの出発時間によっても大きく変動します。特に、多くの人が利用を避ける深夜便(レイトナイトフライト)や早朝便(アーリーモーニングフライト)を積極的に狙うことは、格安航空券を手に入れるための非常に有効な手段の一つです。この時間帯のフライトを許容することで、費用を大きく抑えることができます。
需要の低さが価格を押し下げる原理
その最大の理由は、需要の低さです。多くの旅行者は、空港へのアクセスが容易で、到着後すぐに活動を開始できる日中のフライトを好みます。一方で、深夜や早朝のフライトは、公共交通機関の運行が終了していたり、早朝に空港へ向かうための準備が必要だったりと、利便性が低くなります。
このため、航空会社側は空席を埋めるために、これらの時間帯の運賃を割安に設定する傾向があるのです。需要が低い時間帯の便を選ぶことは、ダイナミックプライシングの逆を突く戦略と言えます。
深夜便による宿泊費の節約
深夜に出発し、早朝に目的地に到着するベトナム行き(例:ホーチミンやハノイ)のフライトは、機内で一晩を過ごすことになるため、現地での宿泊費を1泊分節約できるという大きなメリットもあります。トータルの旅行費用を考える上で、この宿泊費の節約効果は非常に大きいです。ホテル代が高い都市であればあるほど、深夜便の経済効果は高まります。
早朝便を利用する際の空港アクセス対策
ただし、深夜便や早朝便には注意点もあります。早朝便を利用する場合、空港周辺のホテルに前泊するか、終電で空港に乗り込み、ベンチなどで夜を明かす「空港泊」を選択する必要が出てくる場合があります。
特にLCC専用ターミナルは、24時間営業していないこともありますので、事前に空港の営業時間をチェックし、空港で安全に過ごせるかどうかを確認しておくことが大切ですし、空港への移動手段(タクシーやリムジンバス)の確保も忘れずに行いましょう。
これらの不便さを許容できる方にとっては、深夜便や早朝便は、航空券代と宿泊費の両方を節約できる一石二鳥の選択肢となります。体力的な負担と費用の節約効果を比較し、賢く選択してください。
往復より片道で買った方が安い場合の見極め方

通常、国際線の航空券は、同一航空会社または提携航空会社の往復チケットを予約する方が、片道チケットを別々に購入するよりも安くなるのが一般的です。
しかし、ベトナム旅行のようにLCCの選択肢が豊富な路線では、「往復より片道の方が安いケース」、あるいは「異なる航空会社の片道を組み合わせた方が安いケース」が存在します。この見極めには、運賃構造の理解が必要です。
LCCの片道運賃戦略と組み合わせの妙
LCCの中には、集客のために、驚くほど安い片道運賃(プロモーション運賃)を戦略的に設定している会社があります。例えば、往路はA社のセール運賃、復路はB社の通常運賃、という組み合わせの方が、A社またはB社の往復運賃よりも安くなることがあります。
これは、航空会社ごとの運賃体系や、その時々の座席の埋まり具合に依存します。この組み合わせは、特に片道ずつ異なるLCCのセールに遭遇した場合に有効です。
片道チケットで安くなるケースの見極め方
比較検索とトータル費用の徹底比較
往路と復路の日程が決まったら、必ず「往復」と「往路のみ」「復路のみ」の3パターンで、複数の比較サイトと各航空会社の公式サイトで検索してください。往復運賃が割高に感じられた場合、片道検索に切り替えることで、競争の激しいLCC間の運賃差を突くことができます。
特に、燃油サーチャージや空港使用料などの諸費用が2回分発生することに注意し、必ず「運賃+諸費用+オプション料金(手荷物など)」の合計額で比較検討しましょう。諸費用は割引がきかないため、運賃本体が非常に安くない限り、片道組み合わせのメリットは薄れます。
トラブル時のリスク許容度の確認
最も重要な注意点は、異なる航空会社の片道チケットを組み合わせた場合、フライトの遅延や欠航が発生しても、一切の乗り継ぎ保証がないことです。乗り継ぎ失敗の場合、次のフライトの航空券を自費で再購入しなければなりません。
このリスクを許容できるかどうかが、片道組み合わせを選択する際の最大の判断基準となります。旅行に慣れている方や、時間に余裕がある方向けのテクニックと言えます。
参照元:国際航空運送協会(IATA)発行の運賃設定ガイドライン – 航空運賃の構造に関する一般情報)
マイルやポイントを使ってさらに節約する裏ワザ

格安航空券を探すだけでなく、マイルやクレジットカードのポイントを賢く活用することで、実質的な旅行費用をさらに節約する裏ワザがあります。これは、日々の消費活動を旅行資金に転換する、プロの旅行者が実践する節約術であり、航空券代を限りなくゼロに近づける可能性を秘めています。
特典航空券の活用と競争率の理解
最も効果的なのは、貯めたマイルを航空券に交換する「特典航空券」を利用することです。日本のFSC(ANA、JALなど)やベトナム航空などのマイルを貯めている場合、ベトナム路線の特典航空券に交換することで、航空券代を実質ゼロにすることができます。
ただし、燃油サーチャージや空港使用料などの諸費用は別途支払う必要があります。特典航空券は座席数が限られており、特にハイシーズンは予約が困難です。予約開始日(多くは搭乗日の355日前など)に即座に予約することが成功の鍵です。
ポイントサイト経由での予約による二重取り
航空券やホテルを予約する際、ポイントサイト(例:モッピー、ハピタスなど)を経由してオンライン旅行代理店(OTA)や航空会社のサイトへアクセスし、予約を完了させることで、購入金額の数パーセントがポイントとして還元されます。このポイントは、現金やマイルに交換できるため、実質的な割引効果を得られます。
これは「一歩踏むだけ」の簡単な作業ですが、クレジットカードのポイントとは別にポイントが貯まるため、確実に節約につながる裏ワザです。
クレジットカードの優待利用と旅行保険の自動付帯
普段利用しているクレジットカードに、旅行関連の優待や割引サービスが付帯している場合があります。例えば、特定の航空券予約サイトでの割引コードの提供や、海外旅行傷害保険の自動付帯などです。ベトナム旅行前に、手持ちのクレジットカードのサービス内容を隅々まで確認し、利用できる特典がないかチェックしましょう。
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特に、旅行保険が自動付帯するカードであれば、別途保険料を支払う必要がなくなり、トータルコストがさらに削減できます。
これらの「裏ワザ」は、地道な情報収集と計画が必要ですが、成功すれば航空券代を大幅にカットし、その分を現地での食事やアクティビティに充てることができるようになります。
参照元:金融庁:クレジットカードの海外旅行保険に関するガイドライン – クレジットカード付帯保険の一般情報
航空券+ホテルセット割でトータルコストを下げる方法

航空券を探す際、ついつい航空券単体の価格に目が行きがちですが、旅行のトータルコストを考えた場合、「航空券+ホテル」のセット予約(ダイナミックパッケージ)が最も安上がりになるケースが多々あります。特に長期滞在や高級ホテルを利用したい場合に、このセット割は大きな効果を発揮します。
セット割の仕組みと割引の理由
オンライン旅行代理店(OTA)や一部の航空会社が提供するセット割は、航空券とホテルを同時に予約することで、それぞれを単体で予約するよりも大幅な割引が適用される仕組みです。これは、航空会社やホテル側が、より安定した予約を確保し、在庫を効率的に処理したいという思惑から提供される割引です。
彼らにとっては、単体での空席や空室リスクを減らせるため、その分を割引という形で旅行者に還元しています。
トータル費用の比較がセット割の鍵
セット割を利用する際は、必ず以下の3パターンでトータル費用を比較してください。
- セット予約
航空券+ホテルの合計額 - 別々予約
最安値の航空券+最安値のホテルの合計額 - 別々予約
最安値の航空券+セット予約に含まれるホテルの単体価格
特に、希望するホテルがセットプランに含まれている場合、そのホテルの単体予約価格が高ければ高いほど、セット割の恩恵は大きくなります。また、セット予約は、予約の手間が一度で済むという利便性や、旅行会社による一括手配となるため、旅行中のトラブル対応も安心感があります。
キャンセルポリシーの注意点
ただし、セット割の多くは、キャンセルや変更の規定が厳しく設定されています。セット全体での取り扱いとなるため、一部のみの変更ができなかったり、高額な手数料が発生したりする可能性が高いです。予約前に、必ずキャンセルポリシーを隅々まで確認し、万が一の際の費用負担を把握しておくことが重要です。
トータルコスト削減だけでなく、利便性と安心感を両立させたい方に、セット割は最適な予約方法です。
参照元:日本旅行業協会(JATA):「旅行業におけるダイナミックパッケージ取引のルールと留意点」 – 旅行業界におけるパッケージ商品に関する資料
ベトナム旅行を安く楽しむための航空券購入チェックリスト【まとめ】

ベトナム旅行を格安で、かつ快適に満喫するための航空券購入のコツを総まとめします。これらの10のチェックポイントを全てクリアすれば、あなたはプロの旅行者に負けない、最良の航空券を手に入れることができるでしょう。このリストを出発前の確認事項として活用してください。
- 予約のベストタイミングを意識したか
出発の3ヶ月から半年前までに検索を開始し、遅くとも4ヶ月前には予約を確定させる。 - LCCとFSCのトータルコストを比較したか
LCCは運賃だけでなく、預け入れ手荷物、座席指定、機内食のオプション料金を含めて計算したか。 - 複数の比較サイトと公式サイトを確認したか
スカイスキャナー、エクスペディア、Googleフライトなどで比較後、航空会社の公式サイトで最終価格を確認したか。 - 柔軟な日程で検索したか
火・水・木曜日出発や、オフシーズンへの日程変更を試み、最安値日を狙ったか。 - 深夜便・早朝便の価格をチェックしたか
利便性は低いが、運賃と現地宿泊費の節約効果を加味して検討したか。 - 乗り継ぎの安全性を確認したか
経由便を利用する場合、乗り継ぎ保証のある同一予約(スルーチェックイン)であることを確認したか。 - 手荷物サイズと重量を厳守できるか
LCCを利用する場合、機内持ち込み手荷物のサイズと重量を事前に計測し、規定内に収める準備をしたか。 - マイル・ポイント還元を意識したか
クレジットカード決済やポイントサイト経由など、予約でポイントやマイルを獲得する手順を踏んだか。 - 航空券+ホテルセット割を検討したか
航空券単体だけでなく、ダイナミックパッケージでトータルの旅費が安くならないか比較したか。 - キャンセル・変更規定を理解したか
万が一の場合に備え、選択した航空券のキャンセル・変更が高額にならないか、保険加入の必要性を検討したか。
このチェックリストが、あなたのベトナム旅行準備をよりスムーズで安心なものにすることを願っています。
